自殺は罪なの? Netflixで『エレメンタリ 〜鍛冶屋と悪魔と少女〜』を見た ※ネタバレ有り

Netflix大好き!もぐらコナーです。ネトフリを見ていたら『エレメンタリ ~鍛冶屋と悪魔と少女~』という作品を見つけました。バスク地方に伝わる民話を映画化したというネトフリオリジナル作品だそうです。バスク語の作品なんて珍しいなと思って鑑賞しました。

作品は子供向けなのかな?全体的に暗い感じだけど所々滑稽な描写があります。

 

 

☆主な登場人物☆

・パチ   鍛冶屋。門にトゲトゲとかついてるいかにもヤバそうな鍛冶場が住処。危ない噂も多くて村人たちから疎まれている。 

 

・ウスエ   孤児の少女。母親は自殺した。リンゴを側に置いてヘビと遊んだり、教会でのミサを「バカのためのもの」と言ったりする。周りの子達からイジメられているけど毅然と反撃する気の強い子。

 

・マイテ   ウスエの母親。自殺という大罪を犯したので地獄にいると思われている。

 

・サルタエル   悪霊。真っ赤な皮膚が印象的。人間相手には強気だけど地獄での地位は低いようでかなりオドオドしている。

 

オルティス   州政府の役人。町の調査のため派遣された。パチに関心がある様子。

 

・ドン・マテオ   村の神父。ウスエの面倒を見ている。偽善者。

 

 

☆あらすじ☆

とあるきっかけでパチの屋敷に忍び込んだウスエは、檻に閉じ込められている少年を見つける。彼を助け出したウスエだったが、少年の正体は悪魔サルタエルだった。

 

8年前に願いを叶えるため悪魔との契約を交わしたパチを地獄へ連れて行こうと奮闘するもうまくいかないサルタエル。やがてパチの屋敷に村人を引き連れたオルティスがやってくるが、オルティスの真の姿は悪魔アラストルだった。パチを地獄へ連れて行くという任務を果たせないサルタエルの代わりに派遣されてきたのだ。

 

パチを殺そうとするアラストルや村人たち入り乱れての騒動の中で神父ドン・マテオから酷い言葉を浴びせられて人間界を見限ったウスエ。アラストルと契約を結び、母親マイテを探しに地獄へ向かう。

 

 

 

☆感想☆

母親マイテの自殺に対する評価が気になりました。神父を始め、みんな「自殺は大罪。地獄で苦しむ」と言います。自殺したマイテの娘ウスエはそれに納得できないんですね。信心深い地域コミュニティにも馴染めないでいます。自殺した人はたとえ良い人でもみんな地獄へ行くのかという疑問を持っている。この問いへの映画の答えは?

 

この映画では地獄にマイテがいる所は描かれてないですよね、多分。地獄にいる前提で話進んでるけど、そもそも地獄にいないって可能性もあるように見えました。

 

自殺の罪を説く人間は神父のドン・マテオ始めみんな嫌なやつらなんですね。愛がない。

 

そして最後に「ウスエは聖人である」ことが語られます。ウスエはアラストルと契約して地獄へ行った、つまりこれってある種の自殺ですよね。ドン・マテオによれば当然地獄で苦しまなければならない。でもウスエは聖人なんです。自殺したら地獄行きなんてことはないというメッセージを感じました。

 

人間社会で苦しんで自殺した人に寄り添う気持ちが感じられる映画でした。